税制改正23年度|消費税|所得税|法人税

消費税関連

 

仕入税額控除の見直し

課税売上割合が95%以上の場合については、課税仕入等の税額の全額を
仕入税額控除できますが、この制度は課税売上高5億円以下の事業者に
限り適用する事となります。

平成24年4月1日以降に開始する事業年度につき適用となります。

 

消費税の事業者免税点制度における免税事業者の要件の見直し

これは、今後新たに法人を設立しようとされる方にとっては、影響がありそうな
改正点です。

個人事業者→前年1月1日から6月30日までの間の課税売上高が1,000万円
を超えた場合
法人→基本的に、前事業年度開始の日から6ヶ月間の課税売上高が1,000万円
を超えた場合

は2年後でなく、翌年(翌期)から消費税の課税事業者になるそうです。
ただし、課税売上高の金額に代えて所得税法に規定する給与等の支払額の
金額を用いることができることとする、となっています。

※課税売上高に代えて、給与等の支払額を用いる、とはどういうことなの
でしょうか?
通常は売上高より給与等の金額の方が少ないはずですので、6ヶ月間の
給与等の額が1,000万円を超えなければよい、という事になるのでしょうか?

平成24年10月1日以降に開始する事業年度につき適用となります。

 

所得税の関連

 

給与所得控除の見直し

給与収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については245万円の上限
を設ける。

※従来は1,500万円を超える分のお給料に関しても5%の給与所得控除が認められ
ていましたがこれがカットされました。

例えば、年収2,000万円の方の場合は
現行 270万円の給与所得控除  →  改正案  245万円の給与所得控除
となりますので25万円分だけ計算上の所得が増えてしまう事になり、結果税負担
が増えます。

特に、同族企業の経営者の方の場合にとっては、役員報酬額を決定する際には
留意すべき改正点だと思います。

また、年収2,000万円超の役員給与等については、さらに給与所得控除額を
縮減する見直しが行われます。

上記の改正は、平成24年分以後の所得税及び平成25年分以以後の個人住民税
について適用します。

成年扶養控除・配偶者控除の見直し

23歳から65歳未満の成年を控除対象とする扶養控除は、一定の者(障害者、
学生など)を除き、合計所得400万円(給与収入568万円)超の納税者については
控除を廃止する。

上記の改正は、平成24年以後の所得税について適用します。

また、配偶者控除は平成24年税制改正以降、抜本的に見直す方向で検討。

退職所得課税の見直し

勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止

※退職所得の計算をする際には、もらった退職金から退職所得控除額を引き、
それを更に×1/2にして計算するのですが、5年以内の勤続の場合には
この「×1/2」の計算を廃止するという改正です。

いわゆる天下り公務員に対する制裁的な制度のようにも思えます。

また、退職所得に係る個人住民税の計算方法では税額の10%を控除する
仕組みを廃止するそうです。

上記の改正は、平成24年以後の所得税について適用します。
個人住民税は、平成24年1月1日以降に支払われるべき退職手当等について適用
します。

 

 

法人税の関連

法人税の税率の引下げ

平成23年4月1日以降に開始する事業年度につき下記の通り法人税の税率を
引下げます。

中小法人の場合

法人所得 年800万以下 ⇒ 18% から 15%   へ変更

年800万円超 ⇒ 30% から 25.5% へ変更

繰越欠損金の繰越期間の延長

平成20年4月1日以降に終了した事業年度において生じた欠損金につき
繰越期間の延長をする。

現行 7年 →  改正案 9年

本制度は、欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存が適用要件となりま
すので帳簿の保存期間も9年になります。
※なお、資本金が1億円超である普通法人の場合には、繰越欠損金の繰越
控除限度額が全額でなく、 繰越控除前の所得の80%相当となるようです。

減価償却の償却率の改定

平成23年4月1日以降に取得をする減価償却資産の定率法の償却率が変更
となります。

※償却率が低くなるのですが、固定資産管理のソフトなどをお使いの方は、
設定に注意が必要な箇所だと思います。

雇用促進税制の新設

要件が細かいので、大雑把な解説になりますが、
平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度に
おいて雇用保険に入っている従業員数が前期に比べ10%以上かつ2名以上
増加する場合、(これは、中小企業者等の場合の要件です)
事前に公職職業安定所に雇用促進計画の届出を行えば、
増加した従業員×20万円
の税額控除が行えます。(ただし、法人税額の10%を限度) 

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