建設業の事業承継

建設業の事業承継は慎重に行わなければなりません。もし事業承継に失敗したら、建設業に限らず、もう一度開業の手続きをしなければなりません。

しかも、ただ手続きすれば良いというわけでもありません。建設業許可が再び必要となります。建設業許可を取得することも簡単ではありません。ですから、事業承継をする際には、最低でも建設業許可だけでも後継者に継がせることが必要です。

建設業の事業承継は、昔は親族内で行われることが殆どでした。ですが最近では、親族だけに承継するというわけではありません。親族外への承継として、従業員に承継するケース、他の企業との合併なども増えています。

2008年には、事業承継のための法律も改正されました。これによって建設業だけではなくそのほかの事業、特に中小企業に関する事業承継を実施しやすくなりました。建設業は許認可が必要ですので費用はかかりますが、事業承継のペースは促進されることが見込まれます。

建設業の事業承継の中で最も問題となるのは、建設業許可の要件とされている経営管理者の経験年数です。建設業許可では、経営管理者の経験年数が5年または7年と定められていますが、特に個人事業主になると、それを証明することが難しくなります。

法人の場合は、会社登記簿における代表取締役とその就任年月日、組織図によって証明することができますが、個人事業主の場合は証明する書類がない点で問題となる可能性があります。「経営者に準ずる地位」に関する証明にも難しいところがあります。

建設業で事業承継を行う場合は、各都道府県庁の建設業担当部署に届出をすることになります。県庁によっては審査を行うための予約が必要な場合もありますので、事前に確認しておかなければなりません。

承継者や被承継者の資格認定の有無によって、手続きが異なります。承継者が資格を保持している場合は資格の再審査が行われ、保持していない場合には新規申請となります。申請用紙は、市役所の担当部署で手に入れることができます。

建設業の事業承継において、その企業が建設業以外の事業も手がけているのであれば、会社を分割することも一つの方法です。

例えば、建設業と不動産業とを営んでいる会社があり、承継者も二人いる場合には、会社を建設業と不動産業とに分割して独立させ、それぞれの承継者に1社ずつ経営してもらうようにすれば、1社を二人に承継させるよりも、後々の財産分割に関する争いを避けることができます。さらに、よりスムーズに事業承継を進めることができます。

 

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