過大な役員給与は損金に算入できない|形式基準と実質基準

役員給与が過大かどうかの判断は、次の実質基準と形式基準があります。

(1)実質基準

その役員の職務の内容、その会社の収益およびその使用人に対する給与の支給状況、その会社との同業の事業を営み事業規模が類似する会社の役員給与の支給状況等と比較して、その役員の職務に対する対価として相当と認められる金額

 

(2)形式基準

定款または株主総会等の決議によって報酬として支給できる限度額を定めている場合には、その金額

 

【実質基準額と形式基準額との関係】

実質基準額<形式基準額 ⇒ 実質基準額採用

実質基準額>形式基準額 ⇒ 形式基準額採用

 

形式基準による過大報酬の判定については、実務上の問題も少ないと考えられますが、実質基準については、判断に迷うところでもあります。

具体的には、同業種で同規模の会社の平均的な役員給与を参考にすることになりますが、必ずしも役員給与を算定しようと思っている会社に直接合うようなデータが集められるとは限りません。

下記のような項目の比率で調整することも可能です。

 

【役員給与額の決定要因】

①売上金額(比較会社平均と自社との比率)

②売上総利益(同上)

③個人換算所得金額(同上)

④使用人給与の最高額(同上)

上記の比率が、仮に、①1.5 ②1.2 ③1.1 ④1.2 だとすると、調整比率(1.5+1.2+1.1+1.2)÷4=1.25 となります。

自社の役員給与の額 = 比較会社の平均役員給与 × 1.25

 

※会社の業種別、規模別の給与等について次のような統計集が入手できますので、それらの内容を参考にするのもよいでしょう。

・国税庁企画課編 (税務統計から見た民間給与の実態)

・人事院給与局編 (民間給与の実態)

・政経研究所 (役員の給与・賞与・年収)

 

税務署の税務調査で否認されないように、役員給与を決定するようにして下さい。

 

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