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生命保険金を相続対策に活用

金曜日, 6月 25th, 2021

死亡保険金を使って遺産分割を公平に

相続を経験されたことのある方には、「保険金があって助かった」と感じた方も多くいらっしゃいます。

親が亡くなり、遺産分割で他の相続人と揉めることはよくある話です。

相続では相続人が遺産の取り分を巡って対立するなどのトラブルが起きることが少なくありません。

 

ここで、知っておきたいのが死亡保険金の活用です。

生命保険は自身に万が一のことがあったときに残された家族の生活を支える目的で入る人が多いですが、

相続ではそのほかにも使い方によって活用方法があります。

 

たとえば、死亡保険金は受取人固有の財産となり、相続財産には該当しません。

特徴を踏まえて準備しておけば、身内の揉め事や事務の煩雑化を回避することにも役立ちます。

 

例)

70代の父親が亡くなり、遺産分割でもう一人の相続人である弟と揉めました。

遺産は4,000万円の家と土地、1,000万円の預貯金。

父親は生前に家はAさんに、預貯金はAさんの弟に相続させると話をしていましたが、

遺産分割の話を始めると弟は不公平だと主張してきました。

預貯金に加えて、1,500万円の支払いを求めてきました。

Aさんは、1,000万円の死亡保険の証書を家の中で見つけました。

Aさんは、父親が生命保険に加入していたことを知りませんでしたが、父親は数年前に母親が亡くなった後に

受取人を母親からAさんに変更していたのでした。

Aさんは受け取った生命保険金を含む1,500万円を弟に渡して、一件落着しました。

 

上記のAさんの相続は、「遺産分割を円滑にする」一例です。

保険金を代償金にすることで公平な遺産分割になりました。

仮に父親が遺産の全額をAさんに渡すという遺言を残し、弟が最低限相続できる遺留分を求めると、Aさんは法定相続分の半分の1250万円を弟に渡さなければなりません。

2019年7月から「遺留分侵害額請求権」が適用され、遺留分は現金で支払うことになりました。

預貯金だけでは足りない場合に保険金があれば、その一部も支払いに充当することができます。

 

ここで重要なのは、受取人です。

高齢な親ですとすでに受取人が死亡している場合もあります。その場合、保険金は受取人の相続人が受け取り、複数いれば均等配分となります。

Aさんの例の場合、父親が母親の死後、受取人をAさんに変更していましたので、Aさんは保険金を受け取ることができました。

 

相続でよくあるのは自宅はAさんに譲るので、保険金は弟に渡すという分け方です。

これだと弟は保険金をもらったうえで代償金を求めることができるため、Aさんは現金の調達を迫られる可能性も出てきます。

保険金受取人は不動産を相続する人にしておく、こともポイントの一つです。

 

非課税枠の利用で相続税の税負担を軽減

死亡保険金は、「非課税枠を利用して税負担を減らす」こともできます。

法定相続人1人につき500万円の非課税枠があります。

生命保険金の非課税措置の認知度は5割未満といわれていますが、相続税の負担を減らすためにもぜひとも活用したいメリットの一つです。

例えば、5,000万円の自宅と3,000万円の預貯金があり、子供が2人いる場合に相続が発生すると、子供の支払う相続税は、単純計算で235万円ずつになります。

ここで生前に預金を引き出して保険金1,000万円の保険に入ると保険料の分だけ相続財産が圧縮されます。

また、一方で保険金は非課税枠内(500万円×法定相続人2人)に収まります。

結果、子供の相続税額は160万円ずつになります。

現在は80歳になっても加入できる保険もありますから、この非課税枠の活用を検討してみる必要があります。

 

生命保険金を納税資金に充てる

生命保険金を納税資金に充当させることも可能です。

主に子供である相続人に相続させる財産が不動産がほとんどで、現金による相続税の一括納付が難しいといったケースは少なくありません。

親は子供を死亡保険の受取人に指定して保険に加入しておくのがベストです。

もちろん、葬儀代や亡くなる前の入院費用などの精算に使うこともできます。

保険会社によっては必要書類をそろえて手続きをすれば、即日に保険金を支払う会社もあります。

 

生命保険の名義人を誰にするか?

生命保険の契約でポイントとなるのが、名義人を誰にしておくか?です。

名義人を誰にするかで保険金に課税される税金の種類が変わるためです。

名義には、受取人、保険料を負担する契約者、被保険者、という3つがあります。

状況に応じて名義を変更すると税金面で有利になることがあります。

 

例)

例えば、夫婦と子供が2人いる一家で、下記の表のaのパターンだと相続税になります。

親の財産が多く、子供が将来支払う相続税が心配であれば、受取人を母から子供に変えておくほうがいいでしょう。

母は配偶者の税額軽減の特例で相続財産1億6000万円まで相続税を支払わなくて済みます。

一方で特例がない子には相続税が課税されます。

名義を親から子に変更しておけば、子は保険金の非課税枠を使ったうえで、保険金を相続税の支払いに充てることができる、というメリットがあります。

中には受取人が孫にしている、という人もいるでしょう。

孫は法定相続人ではないため、非課税枠を使うことはできません。相続税の負担を抑えるのであれば、名義人を孫から子供に変えておくほうがいいです。

 

bのパターンですと、税金は贈与税がかかります。

父が高齢になり経済的な余裕が乏しくなったら、契約者の名義を子供に変えて保険料の負担を子供にしておくことも方法の一つです。

子への課税は契約者が父である場合は、贈与税ですが、子の期間は所得税になります。

 

親がどのような保険に入っているか知らない人も少なくありません。

相続や死後の手続きで死亡保険金を有効に使うのであれば、親子で保険の情報を共有しておくことが重要です。

 

生命保険の名義人と税金の関係

パターン 契約者 被保険者 受取人 受取人の税金
a 相続税
b 贈与税
c 所得税

 

生命保険金は相続放棄でも受け取ることができる

死亡保険金を受け取るには受取人が請求手続きをする必要があります。

時効は3年です。

相続財産ではないので、受取人は相続放棄をしても死亡保険金を受け取ることができます。

例えば、仲の悪い兄弟がいて、親は相続で揉めそうだと思ったら、死亡保険金の受取人を弟にして弟に相続放棄を勧めることも可能です。

弟は遺産はもらえないが、保険金で金銭を受け取ることができます。

 

生命保険にも様々なタイプがあります。

養老保険のような満期付きの保険は被保険者が満期まで生きれば満期保険金を受け取ることができます。

また、被保険者が医師から余命宣告を受けたり、高度障害状態になったりした場合などに、生前に死亡保険金を前払いで受け取ることができる保険もあります。

 

生命保険を相続に活用する方法は、相続財産や相続人の数などの状況によって変わってきますが、早めの対策が必要になります。

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