特定支出控除と資格取得費|資格を取得するために直接必要な費用であるかどうか

特定支出控除は、給与所得者の実額による必要経費の控除といえます。

特定支出控除の中で適用が多いのが、「資格取得費」です。

資格取得費は、従来から、職務の遂行に必要なもので、給与等の支払者によって証明がされたものについては特定支出控除の適用対象でした。

税制改正により、職務の遂行に直接必要な弁護士や会計士、税理士といった、「その資格を有する者に限って特定の業務を営むことができる」ような資格についても適用範囲となりました。

【特定支出控除の適用要件】

特定支出控除制度は、特定支出の額の合計額が、

①給与等の収入金額が1,500万円以下であれば「給与所得控除額の2分の1相当金額」

②給与等の収入金額が1,500万円超であれば、「125万円」

を超える場合でなければ適用されません。

 

【資格取得費の範囲】

資格取得費の範囲は、その資格を取得するために直接必要な費用であるかどうか、で判断されます。資格試験の受験料だけでなく、資格取得のために専門学校へ通う場合の授業料や交通費、教材費も資格取得に直接必要といえるため、資格取得費の対象となります。

資格試験に不合格であっても、その費用が控除対象から除外されることはありません。翌年再度同一の試験を受験しても、特定支出控除の対象の資格取得費となります。

 

【資格取得費の授業料】

1.弁護士資格取得のために通う法科大学院の授業料は資格取得費の対象となります。

理由 ⇒ 法科大学院で一定の学位を取得しなければ、基本的に司法試験の受験資格を得られないため。

2.会計大学院に通う場合の授業料は資格取得費の対象外となります。

理由 ⇒ 会計大学院はあくまでも会計学の研究を行う場であって、修了しても受験資格を得られるわけではなく、資格取得に直接必要な費用とはいえないため。

 

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